看護師国家試験の問題の種類には必修・一般・状況設定の3つに区別できます。
この3つの勉強法はそれほど大きくは変わりませんがどうせ勉強するのなら効率よくやりたいものです。
状況設定問題の勉強で重要なのはリード文に書いてある情報を整理しながら、そのあとに続く問題を解いていくことです。
状況設定問題のカギはリード文にある
状況設定問題の勉強を進めていくうえで重要なのはリード文から必要な情報をピックアップすることです。
リード文と問題文には問題の解答のヒントがちりばめられています。
そのちりばめられたヒントからアセスメントして解答することが状況設定問題を解く方ポイントです。
つまり、状況設定問題では解答の根拠となるヒント・情報が必ず与えられているのでその情報の意味が理解できれば高確率で正答を選ぶことができます。
リード文を読むときは印をつけながら読もう
リード文にちりばめられている情報を効率的に拾っていくには、のちに解答の根拠となりそうな情報に印をつけて一目見てわかる状態にします。
そのあと問題文を読んでその情報をもとに問題を解いていきましょう。
コツをつかめばリード文を読んでいるときに『ここが聞かれそうな気がする』というような感じで問題になりそうなところがわかるようになってくるはずです。
印をつけながら読むことで問題文を読んだあと、解答の根拠となる情報を探すときにすぐに見つけやすくなります。
だから状況設定問題を解くときは気になる情報に印をつけるクセをつけるようにしましょう。
実際の問題の解き方の例
①リード文で気になる情報に印をつけて読む
②問題文を読み、問題文にも含まれている情報を整理する
③問題文・リード文の情報から解答の根拠となるものを探して解答する。
このような手順で解いていくと自信をもって回答していけるはずです。
では具体的に解いてみます。

この問題の場合、リード文で注目すべき問題は
①心臓の手術を受けた
②輸液量と出血・尿量からたくさん輸液が体に入った
の2つの情報です。
次に問題文です。血圧は低め、心係数の値や肺動脈楔入圧(せつにゅうあつ)の値の基準値はほとんどの受験生は知らないはず。問題はここではなく次です。
大腿動脈からカテーテルが挿入されてIABPを行っている。
IABP自体も多くの受験生は知らないはず。しかし大腿動脈からカテーテルが挿入されてと書いてあります。
この記述から『大腿動脈に太い管が入っているのか』とわかればいいのです。
国試受験生になれない言葉が出てきたときでも考えやすいように説明が添えてあるので安心してください。
このように注目すべき情報を拾っていきます。
はじめは慣れないかもしれませんが、すぐに慣れて気になる情報に印をつけたくなると思います。
次に選択しを見ます。
まず2は除外できますね。リード文と問題文からの情報で2が答えになる根拠がないからです。
答えに結び付く答えは必ずリード文と問題文にあります。1や4も解答の候補に挙がってきますが、最も適切なのはどれかとあるのでリード文と問題文のヒントから3が答えになります。

同じように問題文から情報を拾ってみましょう。
黄色い線が引いてあるところが注目すべき情報です。
問2で最も有力な情報は気道から泡沫上の分泌物です。
これは明らかに肺水腫の所見なのでその情報から迷いなく2を選ぶことができます。
またリード文のたくさん輸液が入った➡肺水腫になりやすいと考えられるので2が答えであることを確信させてくれます。
4の人工呼吸器関連肺炎(臨床ではVAPと呼ばれます)を選びたくなる人もいるかもしれませんが、リード文と問題文からの情報だけでは4は選べません。
とにかく解答の根拠はリード文と問題文からの情報です。

問題文から呼吸や循環機能は問題ないとわかります。
ここで問題なのは独り言が多くなっていることです。問題文の症状は術後せん妄と呼ばれるものです。
問題はせん妄症状の患者さんのケアについて聞いています。
ここでも看護で適切のはどれかという言葉に注意して解きます。
せん妄症状の患者さんへの対応はまず安全を確保すること。
患者さんに説明しながらケアすることは大切なことなので、特に2と迷いますがまずは安全確保のために点滴の整理をします。
以上のように解答の根拠はほとんどリード文と問題文の中にあります。
散りばめられた情報を整理すれば必ず解答の根拠が得られるとわかったのではないでしょうか。
そして得られた情報が解答の根拠となると判断できる知識は必修問題と一般問題の勉強で養われます。
だから必修問題と一般問題で基礎力を養っていくことも重要なのです。
まとめ
状況設定問題のを解くカギはリード文と問題文にあります。
そのカギを組み合わせれば自信をもって解答できるようになります。
上で紹介した方法でどんどん問題演習をして状況設定問題を得点源にしてください。
看護師国家試験で出題される状況設定問題は60問。
自信をもって解けるように少しずつ力をつけていきましょう。

